あなたはグローバルに活躍できる人材になりたいですか?英語や多言語でコミュニケーションをとり、異文化を理解し、あらゆる人種の人たちと一緒に仕事をし、世界のどこに行っても働ける人のことです。
こんな能力を身につければ活躍の幅が大きく広がり、キャリアアップに有利になるばかりではありません。これからの時代、人口や経済が縮小していく日本市場や、日本人だけを相手にしか仕事ができないことは、それだけでリスクになります。
日本にいてグローバル感覚を身につけたいなら、外資系企業に就職するのがてっとり早いでしょうか?でも残念ながら、外資系で働いているからといって、必ずしも世界を相手に仕事ができるとは限らないんですね。私は日本でさまざまなタイプの外資系企業で働き、それを身をもって実感しました。
グローバルな環境で仕事をし、世界で通用する仕事力を身につけたいなら、働く会社は厳選しなければなりません。そのチェックポイントを7つ紹介します。
外資だからといってグローバルとは限らない
グローバルな人材になるためには、グローバルな環境に飛び込み、日々の仕事の中で慣れていくのが一番てっとり早い方法です。でも日本にいると、自分で積極的に環境を選ばない限り、それは実現しません。
日本の外資系企業は、一見グローバルのようでも、実態は日本的であることが多いです。たとえ海外で就職したとしても、日系企業だとグローバルな働き方ができないことが多いのと同じです。それではどういう外資系企業だったら、グローバルな環境で働けるのでしょうか?
私は日本で、IT系の様々な外資系会社で働いていました。大手グローバルコンサルティング会社、 日本市場で地位を築いている大手システム会社、本国では有名でも、日本ではそれほど知られていない中堅ソフトウェア会社、日本に来て間もない小さなソフトウェア会社・・・。一口に外資と言っても 、中身はほとんど日本の会社で、海外とはほとんど交流のない会社もあれば、毎日のように海外とやりとりし、オペレーションはほとんど海外の会社と同じ会社までいろいろです。
あなたがグローバル環境で働きたくて外資系を選ぶとき、どのような点に気をつけて選べばいいのでしょうか?
グローバルな環境で仕事ができる外資系のチェックポイント
1. レジュメが英語
英語のレジュメを要求される会社や日本語の履歴書を要求しない会社は、現場も人事も英語に慣れていて、海外の企業文化に影響されているでしょう。外国人の管理職もいるかもしれません。
私が働いた会社では、ほどんど英語のレジュメのみの提出でしたが、英語と日本語の両方を要求する会社もありました。どの言語のレジュメを要求されるかで、その会社が日本的なオペレーションなのかがある程度推測できます。
2. 面接が英語
英語で面接をする会社なら、グローバルな環境で仕事ができる可能性は高いです。英語力を見るために、社内のネイティブスピーカーを面接に連れてくる場合もあります。
私が日本で働いていた多くの会社では、採用プロセスの途中にネイティブスピーカーの人事、ハイヤリングマネージャ、社長などがはいっていました。どんなポジションに外国人がいるのかを知れば、ある程度社風が推測できます。
3. TOIECの点数を重視しない
はい、「TOIECの点数を重視する」ではなく、「TOIECの点数を重視しない」です。TOEICの点数を要求する外資系企業は多いですね。確かに英語力を試験で測るというのは、足切りするにはいい手法だと思います。でもTOEICで満点を取っても、英語でビジネスができるとは限らないんですよね。試験は試験勉強をすれば、実践力がなくてもある程度点が取れます。
就職試験でよく使われるのは、リスニング・リーディングの試験。でも聞いたり読んだりという受け身のアクションだけでは、ビジネスはできません。スピーキング・ライティングという、発信力があってこそ、実践的な英語能力があると言えます。
本当にグローバル環境で世界と仕事をしている会社なら、試験の点数は実践に役に立たないことを知っています。しかもTOEICは世界では全然知られていない試験です。私が日本で働いた多くの日本の外資系会社でも、TOEICは問われませんでした。(TOEICの点数は持っていませんでした)英語で面接をすれば、英語の実践能力は一発でわかります。
4. 社長が外国人
社長が外国人か日本人かで、その会社の文化をガラリと変わります。外資系の会社は、経営者や管理職個人の方針によって、オペレーションが全く変わってしまいます。
ですから社長が海外から赴任してきた人なら、日本でも自分がこれまでやってきたビジネスのやり方を実践するでしょう。本社や海外拠点との連携も活発だと予想されます。
社長が日本人だった場合は、たとえ本社は海外にあっても日本特有の働き方をしているかもしれません。顧客はほとんど日本人、従業員もほとんど日本人なら、 まったく問題ないからです。
5. 就職エージェントが外国人
日本で私の転職をサポートをしてくれたエージェントは、ほとんど日本に住む外国人でした。自分から外国人を選んだわけではありませんが、グローバルな環境の会社にいると、エージェントから英語で電話がかかってくるのはよくあることです。
クライアントの会社の人事部長やハイヤリングマネージャが英語スピーカーの場合、就職エージェントの担当者も英語のネイティブスピーカーであることが多いです。
6. スタートアップか小規模の会社
日本にいながら一番海外の雰囲気で仕事できるのは、やはりスタートアップか、日本の事業所が非常に小さい場合ではないでしょうか。
私はアメリカ人の社長と日本人4人の、外資系の日本拠点で働いていたことがあります。毎日本社との電話やミーティングがあり、2か月に一度ぐらいはアメリカ、アジア、ヨーロッパなどに出張に行っていました。オペレーションはすべて本社と同じだったため、日本にいる感じはまったくしませんでした。とても自由な雰囲気で、世界中の同僚と仕事ができ、多くを経験できた貴重な時間でした。
ただし、小さい会社だと大中企業では当たり前のことができていないことが多く、人員が足りないのでなんでもかんでも自分でやらないと仕事がまわりません。毎日が戦争みたいで、家に帰ればテレカンが待っているというような情況でした。大変だけど、エキサイティングな毎日で、いろんなことができてすごく勉強になりました。
7. 本社や海外拠点と仕事ができる
外資系企業でも、大規模になってしまうと海外とやりとりするのは管理職だけ、下手すると社長だけなどということはよくあります。でもグローバルで共に活動していくというカルチャーの会社は、一般職員が海外と仕事をする機会があります。
日本と海外に上司が二人いる場合もあります。私は外資系会社の日本事業所に勤務しながら、アジアパシフィック地域の組織メンバーでもあったときがありました。上司が日本とオーストラリアにいて、常に二人の上司にレポートし、業績評価も二人からもらっていました。同僚も日本とアジアパシフィック地域の両方にいたので、メール、チャット、テレカン、ビデオ会議、出張を駆使していつも一緒に仕事をしていました。
日本にいてもグローバル環境で仕事ができる
日本にいても、会社やポジションをきちんと選べばグローバル環境で仕事ができます。そのためには、応募プロセスのときから目を光らせて会社を観察してください。
面接の前でも、日本でのビジネス履歴、会社の規模、社長のプロフィールなどから、会社の雰囲気が想像できます。外国人のエージェントが持ち込んできた案件なら、マネジメントが日本人でない確率が大きいでしょう。英語のレジュメや英語の面接で、英語を使うことを期待されているかがわかります。面接のときに、具体的に海外とどうかかわって仕事をするのか詳しく聞いてみるといいでしょう。
私は日本にいても世界を飛び回って、さまざまな国の同僚たちと仕事をしていたので、異文化経験や多人種とのコミュニケーションを経験し、多くのことを学ぶすることができました。これは日本の会社や、ローカライズされた日本的な外資企業にいたのでは決して体験できないことでした。 そしてこのグローバル経験は、海外で働くときに大いに役立ちました。
グローバルな仕事能力は、本で読んで知識として持っていても実際に体験しないとなかなか身につかないものです。 あなたもぜひグローバル環境に身を置いて仕事をし、仕事人としても一人の人間としても多くの経験をして力をつけ、それをすばらしい未来のキャリアにつなげていってください。
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