海外転職や外資系企業への就職を目指しているけれど、どうやって英文レジュメを作成すればいいのか悩んでいませんか?ネット上には英文レジュメに関する日本語の情報があふれていますが、実際の海外での転職では使えない情報があるのも事実です。
私も日本で外資系に転職したときや海外で仕事を始めたときは、どんなレジュメを書けば通用するのかがわからず手探り状態でしたが、転職回数を重ねて場数を踏むうちに、そのコツが徐々にわかってきました。
そして多くの日本人の英文レジュメを添削する中で、日本流のキャリアや経歴書に慣れた人が理解しにくい英文レジュメのポイントもわかってきました。
このガイドでは、私が実際に海外企業で多くの転職を成功させてきた経験から学んだ、面接に呼ばれるための英文レジュメの書き方を詳しく解説します。リクルーターの目に留まるセールスポイントの効果的なアピール方法や、日本人が陥りがちな致命的な間違いとその対策まで、実践的な知識を惜しみなくお伝えします。
レジュメ作成の基本知識から各セクションの具体的な書き方まで、このガイドを見れば、グローバル市場で競争力のある英文レジュメを自信を持って作成できるようになります。英文レジュメ作成の際には手元において、何度でも確認しながら作成してください。あなたのグローバルキャリアへの第一歩になることは間違いありません。
1. 英文レジュメの基本:日本の履歴書・職務経歴書との違い
海外就職用の英文レジュメ(Resume/CV)は、日本の履歴書・職務経歴書と大きく違います。この違いを理解せずに日本の履歴書を英訳しただけでは、海外の採用担当者の目に留まることはまずありません。
日本の履歴書・職務経歴書の特徴
日本の履歴書と職務経歴書は、終身雇用制を前提に作られたフォーマットです。統一された形式があり、個人情報を含めた詳細な情報を記載します。学歴や職歴は古い順に漏れなく記載し、関連性の低いものも含めたすべての資格を網羅します。
日本企業は人物そのものを採用する傾向があるため、特定のスキルよりも人物像や経歴の全体像を重視します。そのため、一度作成した履歴書は応募先ごとの大幅な変更はあまり必要ありません。
英文レジュメの本質:自分を売り込むセールスツール
対照的に英文レジュメは、転職を前提とした「セールスツール」として位置づけられています。あなたという商品を効果的に売り込むための「商品カタログ」のようなものです。
海外の雇用システムは「ジョブ型」が主流です。企業は特定のポジションに必要なスキルと経験を持つ人材を探しており、即戦力が求められます。そのため、レジュメではあなたの能力、企業への貢献可能性、他の候補者との差別化ポイント、経験・実績を明確にアピールする必要があります。
英文レジュメでは、プライベートな情報よりも、その職種に必要なスキルや実績に焦点を当てます。日本の履歴書が「あなたはどんな人か」を伝えるのに対し、英文レジュメは「あなたは何ができるか、これまで何を達成したか」を伝えるものです。
そしてフォーマットも自由なので、あなたの個性を発揮することができます。
同じ職種でも応募するポジションごとに求められる要件が違うため、ポジションごとにカスタマイズするのが基本です。
日本の履歴書・職務経歴書との具体的な違い
項目 | 日本の履歴書・職務経歴書 | 英文レジュメ |
形式 | 決まったフォーマット | 自由度が高い |
写真 | 必須 | 不要 |
個人情報 | 性別・年齢・生年月日を記載 | 記載しない |
職歴の順序 | 古い順または新しい順 | 新しい順(最近の経験を重視) |
資格 | 全て記載 | ポジションに関連するもののみ記載 |
内容 | 経歴の網羅的な説明 | ジョブディスクリプションに合致した経験を強調 |
更新 | 就活を始める時に作成 | 応募先ごとにカスタマイズ |
グローバル環境における英文レジュメの役割と重要性
転職が盛んな海外では、英文レジュメはあなたの第一印象を決定づける重要なツールです。実際海外では、一つのポジションに数百通以上のレジュメが届くことも珍しくありません。
忙しい海外のリクルーターや人事担当者は、数百件のレジュメから候補者を絞り込むため、一つのレジュメを見る時間はわずか数秒から長くても1分程度。そのわずかな時間で「興味を持ってもらう」か「ふるい落とされる」かが決まります。
多くの企業では、最初の選考にATS(Applicant Tracking System)と呼ばれる自動選考システムを使っています。このシステムは、ジョブディスクリプション(応募要項)のキーワードとレジュメの内容を照合し、マッチ度の高い候補者を選別します。そのため、応募するポジションのキーワードを戦略的にレジュメに盛り込むことが重要です。
さらに、海外企業では「レファレンスチェック(推薦状確認)」が一般的です。あなたのレジュメに書かれた実績や能力が本当かどうか、以前の上司や同僚に確認する場合があります。ある程度の誇張は許されますが、虚偽の記載は絶対に避けてください。
英文レジュメは単なる書類ではなく、あなたのキャリアを左右する重要なマーケティングツールです。次のセクションからは、効果的なレジュメ作成のための具体的な方法を解説していきます。
2. 書く前の準備:自己分析とターゲットの明確化
効果的な英文レジュメを作成するには、まず下準備が重要です。やみくもに書き始めるのではなく、自己分析とターゲット設定に時間をかけることで、はるかに効果的なレジュメが作成できます。
自分の強みと実績の洗い出し方
自己分析の最初のステップは、あなたの「強み」と「実績」を客観的に洗い出すことです。これは多くの日本人にとって意外と難しいプロセスです。日本では成果主義でないことや、謙虚さを美徳とする文化の影響もあり、自分の能力や成果を適切に評価できていない方が多いのです。
効果的な自己分析のために、以下のような質問に答えてみましょう:
- これまでのキャリアで最も誇れる成果は何か?
- 上司や同僚、顧客から特に褒められたことは?
- 他の人と比較して、自分が特に優れていると感じる能力やスキルは?
- どんな問題解決に貢献してきたか?
- 自分が関わった仕事の結果、ビジネスにどのような価値を提供したか?
私は多くの日本人のレジュメ作成のお手伝いをしていますが、自分には特別なスキルや実績がないと思っている方も多いです。すばらしいことを成し遂げているのに自分では気づかず、指摘されて初めて気づくことも多いのです。あなたの経歴を客観的に判断できる人と話してみるのも自分の価値を知るいい手段ですよ。
ターゲットとなる業界・職種・企業の研究方法
海外での転職では、「万能型」のレジュメではなく、応募する業界・職種・企業に合わせてカスタマイズすると断然有利です。
ターゲット企業を研究する方法:
- 企業のウェブサイト、年次報告書、プレスリリースを確認
- LinkedIn企業ページで現従業員のプロフィールを調査
- 業界ニュースやレポートで最新トレンドを把握
- 可能であれば、ターゲット企業の現・元従業員とつながり、内部情報を得る
私はあるポジションに応募する際、まずLinkedInで会社のプロフィール、投稿、同じようなポジションで働いている従業員のプロフィールを調査します。彼らがどのようなスキルセットや経験を持っているか、どのような言葉で自分のキャリアを表現しているかを分析すると、企業が求めている人材像を理解し、レジュメをそれに合わせて調整することができます。
ジョブディスクリプションの分析とキーワードの特定
応募先のジョブディスクリプション(JD)は、レジュメ作成における最も重要な情報源です。JDを徹底的に分析することで、採用担当者やATSに評価されるレジュメを作成できます。
ATSに選ばれるためには、JDを注意深く読み、繰り返し出てくる単語や業界特有の専門用語やツール名、技術名をそのままレジュメに取り入れます。
自己分析からレジュメ作成へ
自己分析とキーワード設定が完了したら、次はこれらの情報をレジュメに落とし込みます。特に注意すべき点は:
- 抽出したキーワードを自然な形でレジュメに織り込む
- 自分の実績を、ターゲット企業のニーズと関連付けて表現する
- 差別化ポイントを目立つ位置(Summaryなど)に配置する
レジュメを書く前のこの準備段階を軽視しがちですが、実はこの下準備こそが、採用担当者の目に留まる英文レジュメを作成するための最も重要なプロセスです。十分な時間をかけて、自分自身とターゲットについて深く理解することが、効果的なレジュメ作成の鍵となります。
次のセクションでは、この下準備をもとに、具体的なレジュメの構成と各セクションの書き方を解説していきます。

3. 効果的なレジュメの構成と各セクションの書き方
海外で通用するレジュメを作るには、各セクションの書き方を理解し、求人に合わせた戦略的なアプローチを取ることが必要です。この章では、レジュメの基本構成から各セクションの効果的な書き方まで詳しく解説します。
グローバルレジュメの基本構造と書式
レジュメの長さと書式
海外向けレジュメの理想的な長さは、基本的に1〜2ページです。キャリアが長い場合でもできるだけ3ページ以内に納めましょう。採用担当者は1つの求人に対して数百件のレジュメを確認することも多いので、簡潔で読みやすいレジュメにすることが選ばれるコツです。
書式の選び方
レジュメの書式には主に以下の3つのタイプがあります:
- 時系列型(Chronological): 職務経歴を新しい順に並べる最も一般的な形式
- 機能型(Functional): スキルや専門分野を中心に構成し、経歴よりも能力をアピール
- 複合型(Combination): 時系列型と機能型を組み合わせた形式
転職回数が少なかったり、一貫したキャリアパスを持つ方には時系列型が、キャリアチェンジをしたり職歴に空白期間がある方には機能型や複合型が適しています。
この記事では、もっとも一般的な時系列型を例に、代表的な項目を解説していきます。
Contact Information(連絡先)
これはレジュメの最上部に書くあなたの個人情報です。
必須項目:
- フルネーム
- 電話番号
- Eメールアドレス
- 居住都市と国(住所の詳細は任意)
任意項目
- GitHub(IT/エンジニア職)
- ポートフォリオウェブサイト(クリエイティブ職)
記載すべきでない個人情報:
これらの情報は、多くの国で採用差別につながる可能性があるため、記載を避けたほうがいいです。特に米国、欧州、豪州などの先進国では、これらの情報を採用選考に使用することが法律で禁止されています。
- 生年月日・年齢
- 性別
- 国籍・出身地
- 婚姻状況・家族構成
- 写真
Professional Summary(プロフェッショナル・サマリー)
効果的なサマリーの書き方と構成
これは冒頭に書く自己紹介文です。Career Summary、 Career Profileなどのヘッダー名も使われます。サマリーでは、ジョブディスクリプションで求められている要素に焦点を当て、あなたがその条件に合致していることを証明します。
多くの日本人にとって、このサマリーセクションはなじみがないかもしれません。でも、これはあなたの価値を端的に伝え、忙しい採用担当者があなたのレジュメを読み続けるかどうかを決めるもっとも重要なセクションです。つまりここで印象付けなかったら、その後の職歴は見ずに次の候補者のレジュメに移る可能性もあるのです!
効果的なサマリーの構成要素の例:
- 職種・役割
- 経験年数
- 主な専門領域や強み
- 最も重要な実績
- 提供できる価値
- キャリアゴール
これらを50〜100語程度にまとめます。長すぎるサマリーは読まれない可能性が高いので注意しましょう。
Skills(スキル)
スキルの選び方と効果的な表現方法
スキルセクションは、採用担当者やATS(応募者追跡システム)がキーワード検索で最初に見る部分です。以下のポイントに注意して作成しましょう。
スキル選びのポイント:
- ジョブディスクリプションに記載されている必須スキルを優先する
- 業界で標準的に使用される用語を使う
- 具体的なツールや技術の名前を記載する
- 一般的すぎるスキル(「コミュニケーション能力」など)は避ける
特に技術職の場合は専門的スキルを詳細に記載します。テクニカルスキルとソフトスキルに分けて記載するのも一つの方法です。
Work Experience(職務経験)
実績重視の職務経験の書き方
職務経験セクションは、単なる仕事内容の列挙ではなく、具体的な成果や貢献にフォーカスすべき部分です。各職歴には以下の情報を含めます:
- 役職/ポジション名
- 会社名
- 所在地(都市、国)
- 在籍期間(月/年 – 月/年)
- 主な責任範囲と実績(箇条書き)
日本の会社の場合はポジション名がないことも多いですが、その場合はもっともふさわしいポジション名を作ってください。
Action Verbsを活用した効果的な表現
箇条書きの各項目は、強力なAction Verb(行動を表す動詞)で始めることで、文章に力強さと明確さを与えられます。
効果的なAction Verbの例:
- Achieved(達成した)
- Developed(開発した)
- Implemented(導入した)
- Increased/Reduced(増加させた/削減した)
- Negotiated(交渉した)
- Streamlined(効率化した)
- Launched(立ち上げた)
- Managed(管理した)
数字で表す実績の示し方
実績を記載する際は、「何をしたか」ではなく「どのような成果をもたらしたか」に焦点を当てましょう。実績は可能な限り数字で表現することで、具体性と信頼性が増します。
数値化できる実績の例:
- 売上や利益の増加率
- コスト削減率
- 時間効率の改善
- 顧客数/ユーザー数の増加
- プロジェクト規模(予算、チーム人数など)
- 生産性向上率
職務内容と成果の書き分け方
職務経験の記載においては、単なる職務内容(Responsibilities)と実際の成果(Achievements)を区別して書くことが重要です。
職務内容の記載は、そのポジションで「何を担当したか」を示す基本情報です。
一方、成果は、その職務を通じて「実際に達成したこと」や、「ビジネスに与えたインパクト」を示すものです。
「Responsibilities」と「Key Achievements」の項目を作って別々に記載する方法も効果的です。
Education(学歴)
海外での学歴の重要性
海外では、学位と専攻分野は就職の時に重要な役割を果たします。多くの海外の採用担当者にとって、日本の教育システムは馴染みがないため、学歴は国際的に理解しやすい形式で記載する必要があります。
学歴記載の基本形式:
- 学位の種類(Bachelor’s, Master’s, Doctoral)
- 専攻分野(任意)
- 大学名
- 所在地(都市名、国名)
- 卒業年(月は省略可能)
- 必要に応じて優秀な成績や関連する研究テーマ
日本の大学名と学位名は、公式の英語表記があればそれを使用しましょう。
Qualifications / Certifications(資格、修了証)
国際的に通用する資格は海外就職に大変有利です。資格を書くときは、次のような情報も併せて書きます。
- 正式名称
- 取得年
- 有効期限がある場合は明記
- 発行機関
その他のセクション
応募するポジションに合わせて、あなたの強みをさらにアピールするための追加セクションを追加することができます。英文レジュメのフォーマットは特に決まったものはないので、創造性を働かせてあなただけのレジュメを作ってみてください。たとえば次のようなセクションを追加することができます。
Publications(出版物)
学術論文、業界記事、ブログ投稿など、あなたの専門知識を示す出版物を記載します。
Projects(プロジェクト)
特に印象的なプロジェクト経験を詳細に記載します。プロジェクト名、期間、目的、使用技術、成果などを含めます。職歴だけではカバーしきれない技術的な深さを示すのに適しています。
Languages(言語能力)
話せる言語とその習熟度を明確に記載します。
Professional Development (受講済みトレーニング)
Training & Certifications、Professional Training、Skills Development、Career Developmentなどのセクション名も使えます。
特に国際的に認知されているトレーニングコースを受けたとき、や修了証をもらったときは、積極的に記載しましょう。
4. 海外リクルーターの視点に立ったレジュメ作成のコツ

海外の採用プロセスでは、リクルーターや採用担当者はわずか数秒でレジュメに目を通し、候補者を選別します。この章では、彼らの視点を理解し、スクリーニングプロセスを効果的に通過するためのレジュメ戦略を解説します。
リクルーターが最初に見るポイント
海外のリクルーターは膨大な数のレジュメを扱うため、短時間で自分が求める応募者かどうか判断します。彼らが最初に見るポイントを理解し、そこに強みを集中させることが重要です。
6秒ルール:最初の印象の重要性
海外のリクルーターはレジュメを平均6〜10秒間見て、詳しく読むか破棄するかを決めると言われています。このわずかな時間で良い印象を与えるためには、以下の点に注力しましょう:
- 視覚的に整理された、読みやすいレイアウト
- 適切な見出しと十分な余白
- 最も重要な情報をページ上部に配置
- 太字やイタリックを効果的に使用(ただし使いすぎない)
- 一貫した書式と書体
ジョブディスクリプションとの適合度の最大化
ジョブディスクリプションは、採用担当者があなたを評価する際の「チェックリスト」です。書類選考を通過するためには、ジョブディスクリプションに厳密に合わせたレジュメの作成が不可欠です。
ATS(Applicant Tracking System)対策
最近の採用プロセスでは、多くの企業がATS(Applicant Tracking System:応募者追跡システム)を使用して、数百から数千のレジュメを自動的に選別しています。このシステムを通過するためには、特別な対策が必要です。
テキストベースのシンプルなフォーマット
- 複雑なデザイン要素、表、グラフィックは避ける
- 標準的なフォント(Arial、Calibri、Times New Romanなど)を使用する
- .docxまたは.pdfの標準形式で保存する
画像・アイコンの使用は控えめに
最近はカラフルな画像を使ったレジュメが人気ですが、ATSの多くは画像内のテキストを読み取れないため、重要な情報を画像内に配置しないようにしてください。また、アイコンや特殊文字の使用も最小限に抑えてください。
効果的なキーワード戦略
キーワードは単に散りばめるだけでなく、戦略的に配置することが重要です。重要なキーワードほど頻繁に使います。また強引に文章に挿入するのでなく、文章の中で自然に使用しましょう。
技術的なハードスキルだけでなく、「プロジェクト管理」「チームリーダーシップ」「戦略的思考」などのソフトスキルも適切に含めます。
5. 日本人が陥りがちな英文レジュメの間違いと対策
日本と海外では、ビジネス文化や自己表現の方法に大きな違いがあります。そのため、日本人が英文レジュメを作成する際には、文化的な違いから生じる独特の課題に直面することがよくあります。この章では、そうした典型的な問題点と、効果的な対策を解説します。
控えめな自己アピール
日本文化では謙虚さが美徳とされており、自分の功績を控えめに表現する傾向があります。しかし、英語圏のビジネス環境では、自分の実績や能力を明確かつ自信を持ってアピールすることが求められます。
日本的アプローチ:
- 「~に貢献しました」「~に参加しました」などの控えめな表現
- 「チームの一員として」という集団への帰属を強調
- 「〜するよう努めました」というような、結果よりもプロセス重視の表現
- 具体的な数字や成果を控える傾向
英語的アプローチ:
- 「~を達成した」「~をリードした」など、主体的な表現
- 個人の貢献や仕事の結果を明確に示す
- 数値やパーセンテージで具体的な成果を示す
私の多くのクライアントさんのレジュメも、表現方法をちょっと変えただけで、驚くほど自信に満ちたプロフェッショナルらしいレジュメに変身します。
実績を客観的事実として提示
英語での自己アピールでは、自分を過度に褒める必要はありません。達成した結果や事実を客観的に述べることで、謙虚さを保ちながらも実力をアピールできるのです。
第三者からの評価を活用
直接的な自己評価ではなく、受賞歴や上司からの評価など、第三者の視点からの評価を記載することで、上手に自己アピールの印象を和らげることができます。
例えば受賞したり社内で表彰された経験があれば、小さなことでもどんどん記載しましょう。
「We」を多用してしまう日本人
多くの日本人の英文レジュメを見ていると、主語に「We(私たち)」という表現を多用する傾向があります。これは日本の集団主義的文化を反映していますが、個人の貢献を評価する海外のレジュメでは自信なさげに映る場合があります。
主語を省略し、行動を表す動詞(Action Verbs) から文章を始めることで、自然に個人の貢献を示せます。
職務内容の説明ばかりで実績をアピールしない
日本のレジュメや職務経歴書では、「何をしていたか」という職務内容の説明が中心となる傾向がありますが、海外のレジュメでは「何を達成したか」という実績や成果が重視されます。
職務内容と実績の違いを理解する
職務内容と実績の違いを明確に理解することが、効果的なレジュメ作成の第一歩です。
職務内容(Responsibilities)
- 日常的に行っていた業務
- 責任範囲
- 使用していたツールや技術
実績(Achievement)
- ビジネスに与えたインパクト
- 具体的な成果や改善
- 問題解決
- 新しいソリューションの導入
実績主導のレジュメへの転換テクニック
海外でよく使われるセルフブランディングの手法を使って、単なる職務の説明ではなく、「問題→解決法→成果」という流れで実績を記述します。このテクニックは面接など多くの転職活動のシーンで大きな効果を発揮します。
STAR法
- Situation(状況): 直面していた課題や状況
- Task(任務)
- Action(行動): あなたが取った具体的な行動
- Result(結果): その行動によって生まれた具体的な成果
SOAR法
- Situation(状況)
- Obstacle(障害)
- Action(行動)
- Result(結果)
STAR法、SOAR法の使い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
測定可能な成果を探す
すべての職務に数字で表せる実績があるわけではありませんが、以下のような観点で考えることで、意外な実績が見つかることがあります。
- 時間効率の向上(例: プロセスを25%短縮)
- コスト削減(例: 運用コストを15%削減)
- 品質向上(例: エラー率を5%から1%に低減)
- 顧客満足度の改善(例: NPSを20ポイント向上)
- プロセス効率化(例: 3つの業務を自動化)
私はIT技術者として数多くの転職をしてきましたが、営業などと違って技術者は成果を具体的に表現しにくいですね。でもシステム導入による時間短縮、人件費の削減、プロセスの効率化、ソフトウェアの品質向上など、書ける実績はいろいろあります。
実績を具体的に書くだけで、驚くほど説得力のある力強いレジュメになります。自分の実績を言語化しておくことで、面接の時のいい話題作りにもなります。
6. あなたのグローバルキャリアを切り開くレジュメ戦略
英文レジュメは単なる転職時の提出書類ではなく、あなたのキャリアを加速させる強力なツールです。この章では、英文レジュメ作成の主要ポイントを振り返り、継続的なアップデートの重要性と、レジュメを活用した効果的な転職活動の進め方を解説します。
レジュメ作成の主要ポイントのまとめ
文化的違いを理解する
- 自己アピールのスタイル: 日本的な謙虚さよりも、実績と貢献を明確に伝える
- 個人vs集団: 「We」ではなく「I」の視点で個人の貢献を強調する
- 直接的なコミュニケーション: 婉曲的な表現より、明確で具体的な表現を選ぶ
- 結果重視: 職務内容の説明より、達成した成果を前面に出す
ドキュメントの構造と内容の最適化
- 視覚的な明瞭さ: 読みやすい書式、適切な余白、一貫した書体
- 戦略的な情報配置: 最も重要な情報を上部に配置
- 簡潔さと具体性:具体的かつ簡潔にまとめ、冗長な説明を避ける
- 数値による実績の可視化: 可能な限り具体的な数字で成果を示す
- キーワードの戦略的配置: ジョブディスクリプションの重要キーワードを適切に配置
ターゲット市場への適応
- 地域別の特性を理解: 北米、欧州、アジアなど地域によって異なる期待値を把握
- 業界固有の表現: 業界で標準的に使用される用語や資格の正確な表記
- 企業文化との一致: 応募企業の価値観や文化に合致した経験の強調
技術的な最適化
- ATS対応: 応募者追跡システムに認識されやすいフォーマットとキーワード
- プロフィールの一貫性: LinkedInなどのオンラインプロフィールとの一貫性
- ファイル形式: 広く受け入れられる形式での保存
- 命名規則: わかりやすいファイル名(例: Hanako_Yamada_ProductManager_Resume.pdf)
応募先別のカスタマイズ
各応募先に対しては、マスターレジュメから関連性の高い情報を抽出し、そのポジションに特化したバージョンを作成します。
あなたの海外キャリア成功ための次のステップ
優れた英文レジュメを作成することは、海外転職への重要な第一歩です。しかし、グローバルキャリアの成功には、レジュメ以外にも考慮すべき要素がたくさんあります。
海外転職は複雑なプロセスで、国や業界によって異なる特有の課題があるうえに、ビザ要件、業界固有の採用慣行、文化的な違い、言語の壁など、さまざまな要素が絡み合います。すばらしい英文レジュメを書いて書類選考に通ったら、今度は英語の面接も控えています。
私の経験からも、こうした複雑な状況を一人で乗り切るのは大変なことです。一人で悩んでいないで信頼できる人に相談するとパッと道が開けることがあります。
英文レジュメコンサルティングサービス
あなたが海外転職を真剣に考えているなら、専門家のサポートを検討してみることをお勧めします。Borderless Jobseekerでは、レジュメだけでなく、日本人の海外転職を専門とする幅広いキャリアサービスを提供しています。
英文レジュメコンサルティングサービス
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