LinkedInプロフィールが変えるあなたのキャリア
海外就職や外資系企業など、グローバル環境で新しいキャリアを築きたいあなた。LinkedInのアカウントは作ってみたものの、何をどう書けばいいのかわからない、プロフィールは作ったけど、英語での書き方に自信が持てないという声をよく聞きます。
実は英語でプロフィールを作るのに苦労しているのは、あなただけではありません。
私も20年ほど前にアカウントを作った時は、プロフィールの作り方どころか、どうやって使うのかもまったくわかりませんでした。でもだんだん外資系企業や海外での就職で威力を発揮するようになりました。
改良を重ねるうちにリクルーターからどんどん仕事の情報が舞い込むようになり、LinkedIn経由でコンタクトしてくれたリクルーター経由で海外に転職することができたのです。そして今では400人近くの世界中のプロフェッショナルとのつながりができました。
そして多くの日本人のプロフィール作成のお手伝いをする中で、日本人のクセやグローバルマーケットで失敗する原因もわかってきました。プロフィールを改善したクライアントさんからは「英語プロフィールを改善した途端、外資系や海外のリクルーターから連絡が来るようになりました。」とうれしいニュースをよくいただきます。
LinkedInは、海外転職や外資系企業の転職には欠かせないプラットフォームです。世界中の優秀なリクルーターがLinkedInを使って人材を探しているだけでなく、あなたと同じ分野で活躍する世界中のプロフェッショナルとつながることができます。
ネットワーキングを通じて、思いがけない海外就職のチャンスが訪れることも少なくありません。そのためには、あなたの経験やスキルを魅力的に伝えるプロフィールが必要不可欠です。
このガイドでは、LinkedInに英語でプロフィールを作る際の具体的な方法を、セクションごとに詳しく解説していきます。グローバルリクルーターの目線で見たときに重要なポイントや、グローバルなネットワークを築く際の注意点、そして日本人が陥りがちな失敗についても触れていきます。
LinkedInについての基本的な使い方や活用方法については、こちらの記事をご覧ください
このガイドの内容に沿ってプロフィールを作成することで、以下のことが実現できます。
- 海外のリクルーターの目に留まりやすいプロフィールを作成できる
- グローバル市場で通用するプロフェッショナルなイメージを構築できる
- 世界中のプロフェッショナルとの有意義なネットワークを築ける
それでは、魅力的なLinkedInプロフィールを作成するための具体的なポイントを見ていきましょう。
1. LinkedInプロフィール作成の基本ポイント
海外で自分のキャリアを売り込むとき、日本とは全く異なるアプローチが必要です。LinkedInのプロフィールは、あなたの職務経歴書であると同時に、プロフェッショナルとしてのブランディングツールでもあります。プロフィールを書く前に、以下の基本的な考え方を理解しておきましょう。
グローバル市場でのパーソナルブランディング戦略
LinkedInは単なる履歴書ではありません。あなたのプロフェッショナルとしての価値を世界に向けて発信する場です。効果的なパーソナルブランディングのために、以下の点に注意を払ってください。
- 自分が見せたいプロフェッショナル像
- 業界で求められる専門性
- グローバルな視点からの自己アピール
- 継続的な学習意欲や成長への意欲
これらを効果的に表現するには、ターゲット市場や繋がりたい人に向けて自分のポジショニングを明確にしておくことが大切です。私のクライアントさんも、ポジショニングが定まらないまま書いたプロフィールはどっちつかずであいまいな印象でしたが、ポジショニングについて議論を重ね、明確にした後に作成したら、自信に満ちたすばらしいプロフィールになりました。
海外リクルーターが見ているポイント
海外のリクルーターはクライアント企業から求人を依頼されると、LinkedInのリクルーター用サーチ画面で求人要件に見合う人材を探します。海外のリクルーターは、以下のような観点であなたのプロフィールを見ています。
- 職務経験が求人要件とマッチしているか
- 具体的な実績やスキルが明確に示されているか
- グローバルな環境で働く準備ができているか
- 英語でのコミュニケーション能力はどの程度か
海外転職では、「何ができるか」「どんな成果を出してきたか」が重視されます。日本のように「どの会社で働いていたか」は、それほど重要視されません。
プロフィール作成前の準備と情報整理
魅力的なプロフィールを作るには、事前の準備が重要です。以下の情報を整理してから執筆を始めましょう。
- キャリアゴール
- 海外就職や外資系企業でどのようなポジションを目指すのか
- それに必要なスキルや経験は何か
- 強みの分析
- 現在の職務での具体的な実績
- 数値で示せる成果
- 他の候補者と差別化できるユニークな経験
- キーワードの洗い出し
- 業界で一般的に使用される専門用語
- 求人で頻出するスキルや資格の英語表現
- 目標とする職種で重要視される能力
これらの準備をしっかりと行うことで、一貫性のある説得力の高いプロフィールを作ることができます。求められるスキルやよく使われるキーワードは雇用市場によっても違うので、特に海外を目指す場合は目指す国の市場を研究することも必要です。
それではプロフィールの各パートの具体的な書き方を見ていきましょう。
2. 第一印象で差をつけるビジュアル戦略
LinkedInのプロフィールで最初に目に入るのは、プロフィール写真とバックグラウンド画像です。これらのビジュアル要素は、あなたの第一印象を決定づける重要な要素です。
私のクライアントさんは、最初はいわゆる日本の履歴書でよく使われるような、まじめでむっつりした顔写真をのせていましたが、さわやかな笑顔の写真を変えてもらったら、見違えるほどすてきなプロフィールに変身しました。
海外就職や外資系企業への転職を成功させるために、グローバル基準での適切な選び方を理解しましょう。
プロフィール写真の選び方のポイント
LinkedInのプロフィールはレジュメと違って、ネットワーキングツールという性格上、写真を載せることがデフォルトになっています。プロフィール写真は、あなたのプロフェッショナルとしての印象を左右します。この人と話してみたい!と思わせるような写真を、以下のポイントに注意して選びましょう。
必須の条件:
- 顔がはっきりと見える胸から上のショット
- 清潔感のある適切な服装
- 自然な表情とフレンドリーな笑顔
- 高画質で明るい写真
- シンプルな背景
避けるべき写真:
- プライベートな雰囲気が強い写真
- 気難しそうな表情
- 集合写真からの切り抜き
- 暗すぎたり画質が荒い写真
- 不自然な加工をした写真
バックグラウンド画像の戦略的活用法
バックグラウンド画像は、多くの日本人が見落としがちですが、プロフェッショナルとしてのブランディングに効果的に活用できます。特にクリエイティブ系やアート系の方は、自分の世界を表現する、あなたらしいバックグラインド画像を選びましょう。
効果的な使用例:
- 業界や専門分野に関連した洗練された画像
- 講演やプレゼンテーションの様子
- プロフェッショナルな雰囲気の抽象的なデザイン
避けるべき例:
- 個人的な写真や風景写真
- 低画質な画像
- 著作権に問題のある画像
写真とバックグラウンド画像の選択は、あなたのプロフェッショナルとしての意識の高さを示す重要な要素です。次のセクションでは、プロフィールの核となるヘッドラインと自己紹介の書き方を見ていきましょう。

3. 15秒で心を掴むヘッドラインと自己紹介
LinkedInプロフィールで最も重要な部分が、ヘッドラインと自己紹介です。この部分は検索結果に表示され、リクルーターが最初に目にする場所でもあります。
ここで読み手を惹きつけないと、次の職歴以降は読んでもらえない可能性もあるので、丹念に仕上げましょう。でもここに詳細を長々と書いてしまうと離脱される可能性もあるので、読みやすく簡潔にまとめてください。
効果的なヘッドラインの構造と検索されやすいキーワード(Headline)
ヘッドラインは単なる肩書きではありません。あなたの専門性と提供できる価値を簡潔に伝える場所です。ですから現職の肩書きと同じである必要はなく、あなたらしさを自由に表現してください。
効果的なヘッドラインの要素:
- 過去や現在の職種や専門分野
- 主要なスキルや専門性
- 業界やターゲット市場
- 提供できる価値
- キャリア目標
避けるべき表現:
- あいまいな肩書き
- 謙虚すぎる表現
- 長すぎる説明
なお、ヘッドラインは一つである必要はありません。複数の顔を持った人なら複数書いても大丈夫です。でもあまり文字数が多すぎるとわかりづらいので、簡潔にまとめましょう。
グローバル市場で評価される自己紹介の方法(About)
自己紹介セクションは、あなたの経験、スキル、そして目指すキャリアの方向性を魅力的に表現する場所です。ジョブディスクリプションに合わせて自己紹介文を作るレジュメと違い、LinkedInでは自分の仕事に対する思いを自由にぶつけていいのです。個性的であるほど人々の目に留まります。
含めるべき要素:
- キャリアにおける主な実績
- 専門分野での強み
- 具体的な数字や成果
- キャリア上今取り組んでいること
- 独自の視点や価値観
- 今後のキャリアビジョン
構成のポイント:
- 最も重要な情報を冒頭に
- 短めの段落で読みやすく
- 箇条書きを効果的に活用
- キーワードを適切に配置
日本人が陥りがちな表現の誤り
海外転職や外資系企業への転職を目指す際、日本人特有の表現の癖に注意が必要です。
避けるべきポイント:
- 謙遜的・受け身的な表現
- 曖昧な表現や婉曲表現
- 組織の中での役割のみの説明
- これからのキャリアにあまり関係ないことに字数を割く
- 主語に‘We’を使う
代わりに心がけること:
- 具体的な成果や貢献の明示
- 主体的な行動の強調
- 明確な専門性の提示
- 自信を持った表現
次のセクションでは、具体的な職歴の書き方について見ていきましょう。
4. リクルーターを惹きつける職歴の書き方
職歴セクションは、あなたのキャリアの具体的な実績を示す重要な場所です。海外就職や外資系企業への転職では、このセクションの書き方が特に重要になります。
職歴セクション(Experience)を書く際の基本的な注意点
基本的なルール:
- 時系列は新しい順
- 会社名、役職、在籍期間を明確に
- 箇条書きで簡潔に
- 一貫性のある書式
得たスキルと使用したスキルの明示
各職歴では、使用したスキルや習得したスキルを記載します。ここに記載したスキル名はリクルーターが検索で使用するので、正しいスキル名を登録することが必要です。
スキル記載のポイント:
- その職務で実際に使用した技術やツール
- プロジェクトで発揮したソフトスキル
- 新しく習得したスキルや資格
- ターゲット市場標準の用語やキーワードを使用
リクルーターの検索にマッチさせるコツ:
- 一般的な略語とフルスペルの両方を記載(例:AI, Artificial Intelligence)
- 類似のツールや技術もカバー
- バージョンや詳細な仕様も記載
実績の数値化と具体的な表現方法
海外や外資系の採用担当者が重視するのは、具体的な実績です。以下のポイントを意識して記述しましょう。
成果の示し方:
- 可能な限り数値で表現(増加率、達成率、金額など)
- プロジェクトの規模を具体的に(チーム人数、予算規模など)
- 自分の貢献度を明確に
- Before/Afterの変化を示す
Action Verbsの効果的な使用法
プロフェッショナルのレジュメやプロフィール作成では、実績を印象的に伝えるために、適切なAction Verbsを使用することが重要です。
効果的な使い方:
- 各箇条書きの文頭に力強い動詞を配置
- 受け身表現を避け、能動的な表現を使用
- 実績の種類に応じて適切な動詞を選択
- 同じ動詞の繰り返しを避ける
日本特有の職務を海外市場向けに表現するコツ
海外では一般的ではない日本特有の職務は、グローバルに理解される形で表現する必要があります:
変換のポイント:
- 海外で一般的な職務名称に置き換える
- 役割や責任を具体的に説明する
- グローバルな文脈で理解できる表現を使用する
- 必要に応じて補足説明を加える
職歴セクションは、あなたのキャリアの集大成です。次のセクションでは、スキル・資格・学歴の効果的なアピール方法について見ていきましょう。

5. スキル・資格・学歴の効果的なアピール
LinkedInのプロフィールでは、職歴以外の要素も海外就職や外資系企業への転職の重要なアピールポイントとなります。それぞれの項目を効果的に活用する方法を見ていきましょう。
業界で求められるキースキルの選び方(Skills)
スキルセクションは、リクルーターの検索で重要な役割を果たします。最大50個のスキルを登録できますが、業界で一般的に使用される専門スキルや、求人票によく出てくるスキルを優先的に記載しましょう。技術スキルとソフトスキルのバランスを取り、特に重要なスキルは上位に配置することが重要です。
推奨(Endorsement)機能も効果的に活用しましょう。過去に一緒に仕事をした同僚や上司に依頼し、本当にそのスキルがあるかどうかを証明してもらうと信頼度が高まります。特に重要なスキルが上位に表示されるよう調整します。定期的に更新して、現在の専門性を正確に反映させることも大切です。
資格の効果的なアピール方法(Licenses & Certifications)
海外市場で価値のある資格は、適切な方法でアピールすることが重要です。資格名は国際的に認知された表現を使用し、正式名称と一般的な略称の両方を記載します。取得時期と有効期限を明記し、可能であれば認証機関へのリンクも追加すると信頼性が増します。
日本の資格については、海外でも通用する表現方法を選択し、必要に応じて補足説明を加えます。グローバルな同等資格がある場合は、その資格名も併記することで理解を促すことができます。
海外市場での日本の学歴の伝え方(Education)
日本人は学位の重要性を軽視しがちです。海外では教育歴や学位が日本より重視されるので、海外の人に理解される書き方でアピールしましょう。大学名だけでは卒業したかどうかわからないので、卒業したなら学位名を必ず明記します。
学歴の記載方法:
- 学位の正式な英語表記を使用(Bachelor of …、 Master of…)
- 専攻分野を明確に記載
- 取得年度を西暦で表示
- 主要な研究テーマや成果
また、海外留学やオンライン講座の受講歴、業界関連の研修プログラム、語学研修などの継続的学習も積極的に記載しましょう。これらは、あなたの専門性と学習意欲を示す重要な指標となります。
次のセクションでは、推薦の活用方法について見ていきましょう。
6. 信頼度を高める推奨文の戦略的活用法
LinkedInの推薦は、第三者からのあなたを客観的に評価してもらい、あなたの実績や人物像に信頼性を与える重要な要素です。特に外国人として海外就職を目指すときは、この推薦文があると説得力が増します。
推薦の重要性(Recommendations)
LinkedInの推薦は単なる推薦状ではありません。海外の採用担当者にとって、あなたの実務能力や人物像を判断する重要な判断材料となります。特に海外就職では、日本での実績を客観的に証明するものとして、推薦は大きな価値を持ちます。
理想的な推薦文は、あなたの職務経験や実績、専門性、そして人間性について具体的に言及したものです。一般的な称賛の言葉だけでなく、具体的なプロジェクトでの貢献や、数字で示せる成果について触れられていると、より説得力が増します。
効果的な依頼方法
過去の上司や同僚など、実際にあなたと働いた経験のある人に依頼することが基本です。依頼する際は、以下のような点に気を配りましょう:
- 依頼の目的を明確に伝える
- 具体的なエピソードや成果を思い出してもらう
- 時間に余裕を持って依頼する
グローバルネットワークでの活用法
推薦は、あなたのグローバルなネットワークを活用する機会にもなります。海外の同僚や取引先からの推薦は、国際的な環境での実績を示す強力な証明となります。また、異なる文化背景を持つ人々との協働経験を示すことで、グローバルな環境での適応力もアピールできます。
次のセクションでは、これまでの内容を総括し、プロフィール作成後の運用について見ていきましょう。
まとめ
LinkedInの英語プロフィールは、海外就職や外資系企業への転職において、あなたの価値を世界に向けて発信する重要なツールです。プロフィール作成後も、定期的なメンテナンスと活用が成功への鍵となります。
プロフィール作成後の運用とメンテナンス
効果的なプロフィールを維持するためには、定期的な更新が欠かせません。新しい職務経験や実績、最新のスキル、新規取得資格などを随時追加し、できれば新たな推薦文も依頼しましょう。
また、プロフィールの閲覧数や検索表示の状況を確認し、業界のトレンドに応じてキーワードを更新することも重要です。
LinkedInプロフィールは、単なる履歴書以上の多くの可能性を秘めています。プロフィールを活用することで、以下のような機会を創出することができます:
- グローバルな人脈の構築
- 業界の最新動向のキャッチアップ
- 新たなキャリア機会の発見
- パーソナルブランディング
グローバルキャリアの成功に向けて
あなたもこのガイドを活用して自分のプロフィールを作り、グローバルキャリアのパーソナルブランディングツールとして役立ててください。
より詳しい情報や個別のアドバイスが必要な方には、LinkedInプロフィールの作成・改善のコンサルティングを行って行っています。同じ職務経験でも書き方によってプロフィールはガラリと変わります。グローバルキャリアへの一歩を踏み出したい方はお気軽にご相談ください。